ビジネスゼミナール 第3回「経営管理・マネジメント」コース ~レクチャ・ワークショップで 理解を促す(暗黙知の獲得)を学ぶ~
10月9日(木)、北海学園大学豊平キャンパスにて、札幌ひとづくりカレッジ(以下、「ひとカレ」)ビジネスゼミナール「経営管理・マネジメント」コースの第3回講義が行われました。講義にはひとカレ会員企業より、5社9名が参加しました。
冒頭に、北海学園大学経営学部・佐藤大輔(さとう だいすけ)教授より、第2回講義の振り返りがあり、その後、今回のテーマである「理解は暗黙知の獲得の構造を持つ」についての講義が始まりました。暗黙知とは、経験や勘、直感などに基づいて得られる、言語化や数値化が難しい知識です。
まず、理解が成り立つ過程を考える上で、佐藤教授から、暗黙知の構造について話があり、「暗黙知を構成する、『見え(遠位項)』と『視点(近位項)』の両方を獲得することが、『理解がなされている』状態」と説明がありました。
その上で、佐藤教授から、従業員(部下・同僚)に理解を促す方法について話があり、従業員に理解を促す際の「落とし穴」として、マネージャーが、「見え」と「視点」の両方を一度に与えてしまうことが挙げられました。その場合、従業員はただ「知る」だけになり、理解にはつながらないのです。
佐藤教授からは、「理解を促すために、マネージャーは、『証拠』を示して従業員に『思考』を促し、比較対象を明らかにさせることで、自分なりの『見え』を生成させる(=理屈(価値)の理解)ことが重要」との説明がありました。合わせて、「マネージャーは、『ストーリー』を示して、従業員に『想像』を促し、意味の理解を生成させることも重要」とのことでした。

講義を踏まえ、参加企業はグループに分かれ、就活生に対して自社の「価値」「意味」を伝える手がかりについて考えました。受講者からは、「改めて考えると非常に難しい」と悩む声が出ました。その後、各グループの代表者から、自社の価値を伝える視点(「目のつけどころ」)、意味を伝える視点(「状況・立ち位置」)について、発表がありました。


講義のまとめとして、佐藤教授からは「教え手が『見え』を従業員に与え、視点を独自に探らせることが、従業員の理解に繋がる」と締めくくりがありました。
次回は、「どうしたら本当の理解に繋がるのか?」についての講義となります。残すところ2講義となります。第4回目もワークショップでの活発な対話やディスカッションが期待されます。

