2026年春リカレント教育プログラム 最終回「経営管理・マネジメント」コース
「場づくり」の経営
6月4日(木)、北海学園大学豊平キャンパスにて、札幌ひとづくりカレッジ授業「経営管理・マネジメント」コースの最終講義が行われました。
まず、今までの復習として、「人を動かす管理とマネジメント」の各手法について確認しました。その上で、今回は管理・マネジメントに係る理論を学び、実践に活かす方法を考えることで、受講者の企業にて、再現性がある管理とマネジメントが可能になります。
まずは、「管理」の手法についてです。スタッフを動かすためには、外発的な動機づけが必要で、その要素は「お金」と「人間関係」です。「お金」で動機づけをする場合、「期待理論」が適用できます。努力を促すためには、誘意性(報酬の価値、魅力)と期待(努力と報酬の連関度合い)が大事になります。そして、努力を業績・達成につなげるには、マネージャーが、スタッフの能力や資質を引き上げることや、努力の方向性を明示することが求められます。
そして、業務の達成によって、内発的報酬(例:やりがい)、外発的報酬(例:給料)を得ると、スタッフは満足を得ます。ただし、そのためには、スタッフが公正な報酬であることを知覚できるようにすべきです。満足するまでのプロセスが、次の満足を得ることもつながるので、プロセスの管理もマネージャーの仕事となります。

ここまでの講義を踏まえ、受講者で、自社では管理職を「プロ」として育成しているか否かを意見交換しました。
次の話題は、「人間関係」による外発的動機づけです。人間関係をスムーズにするのに大事な要素は「リーダーシップ」です。言い換えると、「良いチーム作り」です。リーダーシップに係る初期の研究(「ミシガン研究」)では、リーダーの行動や部下の感情・態度の視点で、高業績・低業績部門の特徴を抽出しています。そこで挙げられているのが、スタッフへの権限移譲の重要性です。
一方、その後の研究(「オハイオ州立大学研究」)では、リーダーシップは人間関係だけではなく、タスク・プロセス管理を徹底する必要もあると挙げています。その上で、両者を両立させることが、優れたリーダーシップであり、業績を高めると結論づけています。
佐藤先生の説明後、受講者自身が、タスク管理と人間関係のどちらを重視しているのか、または両者をバランスよく進めているのかを、グループ内で意見を述べ合いました。

なお、佐藤先生からは、近年のリーダーシップの考え方で「共有型」リーダーシップの説明がありました。組織内すべての人が、専門分野でリーダーの役割を担う機会を提供するもので、チームの有効性を追求するうえで効果的と言えます。
それでは、「管理」ではなく、「マネジメント」を進めることで、スタッフに能動性や自律性を促す組織は、どのようなものでしょうか。
まず、組織には2つの意味合いがあります。役割分担の「システム」、そして組織構成員で視点を共有する「場」です。組織の発展においては、この2つのバランスを取ることが重要になります。
学術における「組織」の定義は、役割分担によって能率を上げる「システム」を持っていることです。そして、役割分担は、時代や組織規模、職能により細分化されてきました。
「場」は、人々が、同じ視点を共有している状態です。場を作ることで、理解の共有が可能となります。組織として、「場」を上手く作るには、視点を共有させるための仕組みを作る必要があります。具体的には、スタッフが「周辺」から視点を持ち始め、参加の経験を重ねて、自身の位置と見方を「中心」に移していける取り組みを行うことです。昔ながらの「徒弟」制度はその一つと言えます。
最後に、佐藤先生から全講義のまとめがありました。今回の授業は、経営学における「自己決定理論」をコンパクトにわかりやすく説明したものです。様々な取組を通じ、スタッフが自律性を持って動ける「納得の理解」の状態にしていくことが、企業・マネージャーの大事な役割と言えます。
受講者は、この授業で学んだことを自社に持ち帰り、今後、実践をしていくことが期待されます。

